書道家・河内君平の日記
 
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2013/10/13(日)今井凌雪先生の学書歴
3回「今井凌雪―人と書のすべて」展準備委員会のため天理(高岡詰所)を往復した。来年、今井凌雪先生(2011726日ご逝去)の遺作を通じて先生の人となりを回顧する「今井凌雪―人と書のすべて」展が、奈良県文化会館(430日〜56日)と上野の森美術館(725日〜29日)で開催される。その両展覧会に陳列する、先生の書作品を決定するために参集したが、4階の大広間と廊下にまで並べられた、額装、軸装、まくり、未表具の厖大の作品群を眼にして呆気にとられた。勿論この作品群とて、ほんの氷山の一角に過ぎないのであるが、代表作がこれもあれもと並んでいるから驚きであった。あらためて先生の書家としての魂に触れられた一日であった。
 
「今井凌雪―人と書のすべて」展は、下記のメンバーを中心に準備を進めている。
総括:藤岡都逕/実務準備委員:中村伸夫・森田彦七・池田毓仁・河内君平・北山転石・中村象谷・三藤観映・吉井尚久・安田和美(経理)
 
先ごろ見つかった先生直筆の中文略歴によると、次のようにご自身の学書歴を記されておられる。(まさか先生ご自身が中文で整理されているとは思いもしなかった。
 
1935年〜48年 以中谷釜雙先生為師学書法
1948年〜57年 以辻本史邑先生為師学書法
1946年〜63年 以松丸東魚先生為師学篆刻
 
1935年〜43年 初中3年級開始書法学習。専学欧陽詢、北魏楷書外、学趙孟頫。
1946年〜55年 学明末、清末諸家。尤其愛好楊守敬、呉昌碩、何子貞等書法。併進行創作。
1956年〜65年 学日本江戸時代到明治時代文人僧侶等書法。拠其日本風格進行創作活動。
1966年〜現在 以中国新出土文字資料如楚帛書(美国)、侯馬盟書、馬王堆帛書、雲夢秦簡等為参考進行創作活動。併研究書体史。
 
1965年 読「由王謝墓誌的出土論到《蘭亭序》的真偽」受極大影響。対王羲之的関心越来越高。目下精心研究王羲之書法。
 
この先生の自筆略歴は、先生がどのような書の古典に興味を抱かれ、創作活動に資して来られたかを如実に物語っている。生前、あらゆる古典を渉猟され、何時、どの古典を勉強されたかは、私などには解らなかったので、今後先生の作品を鑑賞する上で非常に有難い。思えば、米芾、董其昌、傅山は自身の学書歴を記録している。先生は中国書法史上の大家に伍する学書歴を有している。
 
なお略歴は1982年日展文部大臣賞で終わっており、1987年被推挙西泠印社名誉社員を書き足しておられることから、この間に書き上げられたものと思われる。
 
【2013.10.17 Thursday 18:51】 author : kunpei
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この記事に関するコメント
初めまして。約30年前、谷町9丁目にあった今井先生の稽古場でご指導いただいたことがある者です。私も以前から美術商や個人の方から今井先生の作品をマクリ、軸、パネルなど9点ほど譲り受け、収蔵しています。普段は仏間に今井先生の作品を掛けて見ています。また先日、部屋の整理をしていたら雪心会の合宿講習会で無断で録音した今井先生の質疑応答のテープが出てきました。再生してみて今井先生の肉声がとても懐かしく感じられました。今年今井先生の展覧会が開かれるのですね。大変楽しみです。
| 西畑 積 | 2014/01/14 9:41 AM |
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