書道家・河内君平の日記
 
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2016/03/07(月)書法九養九勢
まったくブログを更新する暇もないほど多忙を極めております。毎日のように校務に追われ、自宅では殆どパソコンに向かう時間がありませんでした。三月以降もこの状態が続くことが予想されますので、閲覧くださっている方々には大変申し訳なく思っております。その分と言ってはおかしいですが、今日は少しまともなことを書いてみます。なおFBに画像や動画などをアップしています。興味のある方は、そちらをご覧いただけると幸いです。

 

中国美術家網「書法、人に九養あり、体に九勢あり」2016-03-03

【九養】

書は、人にとって九つの養う効能があるということですが、その九つとは、「神」「心」「目」「美」「正」「学」「気」「敬」「礼」です。私は、さらに「情」と「人」の二つを加えます。最終的には、書は「人を養う」という効能があると思います。

 

【神】『黄帝内』に「静なれば則ち神蔵し、躁なれば則ち消亡す」とあります。書は人の心を静めることができ、 学ぶ人に書の学習を通して「凝神静慮(こころを落ち着けじっくり考える)」ようにしてくれ、騒がしい動きを減らしてくれる効能があります。書の「動き」とは、専一で混じりけの無い、「神」を養ってくれる動きなのです。

「心」:書の学習は、忍耐心や細心の素質を養ってくれます。忍耐する心は恒常的なもので、細心は微(目に見えないかすか)なものです。老子は「天下の大事、必ず細より作(おこ)る(世のなかの大事は、いつでも些細なところから起こる」(六十三章)と言っています。書の起筆、収筆は、精微の良い習慣を養うことができます。

【目】書は、心に悟り、手から出て、耳に聞き留め、目に留めるもので、観察力が一番重要です。孫過庭は『書譜』に、「之を察する者は精を尚(ひさ)しく、之に擬する者は似を貴ぶ」と言っています。目の観察力をとりわけ重んじましょう。

【美】書を学ぶということは、鑑賞美、発見美、創造美の過程を会得することです。

【正】柳公権のいう「心正しければ則ち字正し」は、字を書くことを通して人格を向上させるということです。書は人の心霊の『心電図』です。「写好字,做好人。(字が上手に書けることは、善い人になること。)」です。

【学】大きく書への考え方・見かたを養うこと、絶対に知っていなければなりません。書を学ぶことは、単に文字の書き方を学ぶだけではなく、書くと同時に、伝統文化の学習、たとえば経子史集といった伝統文化を学ぶことにあります。

【気】孟子は、吾れ善く我が浩然の気を養う」と言っていますが、この「気」は、至大至剛のものです。書の気息、気韻を養うこと、さらにこの「浩然の気」を養うのです。これは精神力、苦労に耐える精神力の向上のことです。

【敬】『弟子規』に「墨は磨りて偏り、心端ならず、字敬せずんば、心先ず病む」とあります。学問をして、字を書くには敬虔の心、敬重の心が大切です。敬重の心があってはじめて妙味を領悟できます。

【礼】礼儀を知らないと身を立てられません。一筆一画の学習を通じて、礼儀を重んじることを養うことに注意しましょう。孔子は、「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言,非礼勿動」と言っています。書の学習を通じて、「克己復礼(自制して礼儀を守るようにすること)」しましょう。「礼」の精神は現代でもっとも提唱の必要性があります。

 

以上、書は九つの養う効能があるということですが、私はさらに「情」と「人」の二つを加えます。

【情】感情、情緒、すなわち「人に七情あり」の情です。東洋医学では、喜、怒、憂、思、悲、恐、驚の七種の情緒変化を指しています。個人的には「情愛」の情、厚情、交情が最も大切だと思います。論語にいう「仁愛」、すなわち人を思いやるこころです。

 

そして最終的には【人】です。書は「人を養う」という効能があると思います。人格陶冶、人品道徳の向上が最大の人生目標ではないでしょうか。それには、書というものが一番適していると思っています。東洋人の心を最も端的に表現する世界だと思います。

 

以下、【九勢】中国美術家網の原文および「百度」の訳注です。

 

,就是关于笔的九种方法、法。只要学者掌握了正确的方法,又能勤学苦,即使没有名的指,也是可以达到法的妙境

 

蔡邕133192年),东汉文学家、法家。字伯喈,留圉(今河南南)人。灵帝时为等官。献帝,拜左中郎将。迁都安后,封高阳侯。董卓后,他亦被捕,死于中。蔡邕通史、天文、音律、画,擅辞章,精篆隶,尤以著称。

 

肇于自然,自然既立,阴阳生焉;阴阳既生,形出矣。藏,力在字中,下笔用力,肌肤之。故曰:来不可止,去不可遏,惟笔软则奇怪生焉。

凡落笔,上皆覆下,下以承上,使其形势递相映,无使背。

笔,宜左右回,无使目孤露。

,点画出入之迹,欲左先右,至回左亦

,令笔心常在点画中行。

尾,画点尽,力收之。

,出于啄磔之中,又在趯之内。

掠笔,在于趱锋峻趯用之。

涩势,在于行之法。

勒之

此名,得之授,亦能妙合古人,翰墨功多,即造妙境耳。

 

1〕此文见载于《苑菁》卷九,题为蔡邕《九》,把真卿张长史笔法十二意》大部分内容写在后。后转载于《佩文斋书》卷三,去了题为《九》。此文有认为

【2016.03.07 Monday 00:57】 author : kunpei
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