書道家・河内君平の日記
 
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11月18日(日)「幻の権威」
11月18日(日)「幻の権威」
東京晴れ。かなり寒くなり、ついにコートを羽織る。

今日は平成20年度大東文化大学「公募推薦」入試日。朝9時過ぎに学校へ。終了は4時過ぎ。例年全国から受験生がやってくる。書道学科の受験者は昨年度に比べ5名増。公募推薦は激戦である。

朝日新聞の文化欄(13版)に「日展100年」が連載されていた。今日の「美術団体展のいま」が最終回。それに次のようにあった。
 
(前半省略)1898年創設の日本美術院は、曲折を経て1914年に再興する。その際に定めた「三則」の一節に「日本美術院ハ芸術ノ自由研究ヲ主トス、故ニ教師ナシ先輩アリ、教習ナシ研究アリ」。また30年創立の独立美術協会は「既成団体ヨリ絶縁シ(略)新時代ノ美術ヲ確立セム事ヲ期ス」と宣言した。これら出発時の主張や理想を軸にした強いきずなを、諸団体は保ち続けているだろうか。

仮に、「仲良しクラブ」「習い事発表会」に変身していたとしても、無論それなりの存在意義はある。だが、それなら「権威」は消えるはずなのに、実際はあいまいなまま残り、多くの愛好家の「美の基準」となっているようだ。

世界の潮流と切り結ばないまま、「日本に定着した文化」として存在する団体展。大衆への美術の普及という機能を果たしながら、会派内の階級性を基盤とする「幻の権威」のすり込みを続ける。その功罪ないまぜの歴史的産物も、ついに淘汰の時代に向かう予感がする。(編集委員・田中三蔵)

この文章の標題は―「幻の権威」淘汰の時代へ―である。確かに、私もそのような予感はするが、「生活共同体」と化した団体展は、「美術の普及」をお題目に「幻の権威」を追い続けており、一向に衰える気配がない。

一番の気がかりは、「美の基準」の単純化、すなわち審美意識と表現技巧のレベルダウンである。さらにこの状態が進むと、「日本に定着した文化」としての団体展、その文化によって創り出される「美術」自体が普及しなくなることになりはしまいか。今こそ東アジアの「美術」あるいは「芸術」の真意を問い直し、反省すべきであろう。
【2007.11.20 Tuesday 00:01】 author : kunpei
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